こんにちは。WAKARU編集のマチルダです。
前回に引き続き、別名“変態ホイホイ”という異名がある私が体験した話をご紹介します。
当時22歳の私は、埼玉から都内の会社に通っており、毎日遅くなっていました。
夜11時過ぎ、有楽町駅前を歩いていたところ、その出会いは突然訪れました。
男「あのう…」
私「はい?」
痩せ型長身でめがねをかけ、くたびれたスーツを着た、サラリーマンの男性。
歳は30代後半でしょうか?
え、ナンパ?と思い怪訝そうにみたら、左手には結婚指輪。
なんだ既婚者か、とおもったら
男「あの、いつもそんな高いハイヒールはいてるんですか?」
私「…え?アンケートかなんかですか?」
男「いや、ええ、まあ…」
と歯切れの悪い回答。
そもそも、高いヒールだから「ハイヒール」っていうんだよ。
なんだその、頭痛が痛いとか、白い白線の内側に下がってお待ち下さい、みたいな変な日本語は。
とか思い、面倒くさくなってしまったので、
私「すみません、ちょっと急いでるんでアンケートは…」
と遮って帰ろうとした瞬間。彼は膝をついて、
男「まってください!!お願いです!
僕のことを踏んでください!!」
私「え!?なんで!!!」
反射的に聞き返しましたが、これは至極まっとうな意見ですよね。
だって意味不明ですもの。
また大声で言うもんだからみんな見てるし、男は膝ついてるし、もうとにかく恥ずかしくて。
びっくりしてダッシュで駅の階段を登りましたが、男はついてきませんでした。(ついてきてたら警察呼んでた)
ふと電車に乗った後でよく考えたら、「ああ、そういうことか。」と。
「でもまてよ?あの人既婚者じゃないか? 結婚しても、趣味(?)は大事ですが、
奥様とはいい恋愛・いい結婚をしたということか…」
とぼんやり考えて帰りました。
趣味(?)を認めてくれるような、奥様・伴侶を見つけるって、大変なんだろうなあ。
と私は自分の将来を考えるのでした。
イラスト:すずはらだ