売上の高さが他の大学の子会社と比較すると驚異的な高さを誇る株式会社日本大学事業部についてご紹介していきます。
日本大学事業部と聞いても、どんな事業を展開しているのか分からない人は多いはずです。
そこで、日本大学事業部がこれほどまでに成長できた背景を知るためにも、7つの事業やその目的について解説していきます。
日本大学事業部について詳しく知りたい人は参考にしてください。
Contents
株式会社日本大学事業部設立の背景と業績
まずは、日本大学事業部がどんなところなのか理解するためにも、設立の背景や業績について見ていきましょう。
設立されたのはわずか10年前
日大事業部と呼ばれている株式会社日本大学事業部が生まれた背景には、日本大学の理事長を務めている田中英壽氏が深く関わっています。田中英壽氏は、日本オリンピック委員会の副会長や国際相撲連盟会長、日本相撲連盟副会長といった経歴を持つ人物です。
現在、日本大学の第12代理事長として日本大学を支えているのですが、2008年に理事長に就任した翌年に事業会社開設準備室を設置しています。2009年9月には、事業会社の名称を学校内外に公募し、同年11月に「株式会社日本大学事業部」と決定したのです。
そして、2010年1月に日本大学事業部が設立されました。このような背景があることで、日本大学現理事長の田中英壽氏がいなければ、日大事業部は誕生しなかったと言えるでしょう。
好業績である
日本大学事業部の業績は2014年から急成長を見せています。2013年12月期決算の売上高は、約7億8,000万円でした。しかし、2014年12月期決算では約倍増ともなる13億円程度の売上となりました。
2016年には前年比2.6倍の約44億円、そして2017年には約69億6,000万円となり、大きく成長したことが分かるでしょう。
株式会社日本大学事業部の7つの事業と目的
日本大学事業部ではどんな事業を提供し、約69億円もの売上を達成したのでしょうか?
7つの事業について
日本大学事業部は、7種類の事業が存在します。
それぞれをご紹介していきましょう。
学生生活支援 | 日本大学に通う学生がより充実した生活を送れるようなサポートを行っている事業です。 生徒や教職員が使用する自動販売機の設置や管理などを実施しています。 |
保険代理店業務 | 保険代理店業務では、保険商品の販売高に応じて手数料がつきます。 その手数料分を日大事業部が得ることで収益を確保することができるのです。 |
教育・研究支援 | 教育や研究を活性化させるためのサポート的存在です。授業などで使用する教育用品の販売やリース、事務用品や機器の販売リースの他に印刷や出版業務も行っています。 |
キャンパス環境管理 | 日本大学の施設運営や維持、コスト削減のための事業です。学生たちが快適に勉強に励むためにも、保安警備業務や清掃業務などを行っています。その他にも、緑地管理や施設設備メンテナンス、ケータリング、食堂や購買部の運営も実施されます。 |
人材サービス | 一般及び特定労働者の派遣や有料職業の紹介、コンサルティングや保育所や託児所の運営、コンサルティングや広報などを行っています。 その他にも、人事管理や労務管理といった事務代行なども行われ、日本大学の働きやすい環境を整えているのです。 |
不動産関連 | 不動産全般移管する支援活動を行っています。学生向けの下宿やアパート、マンションの斡旋、大学施設貸出紹介の斡旋の他、学生寮の運営管理や駐車場の運営管理なども実施されます。 |
イベントプロデュース | 様々なイベントを成功させるために、日大事業部が持っているノウハウを提供する事業です。 日本大学内で行われる講演会やオープンカレッジなどの受託、学生や教職員向けの研修委託、学会やOB会の管理運営や各種催事の企画・運営、冠婚葬祭などをプロデュースしていくのです。 |
目的は?
上記のように7種類の事業を展開し、多くの売上を叩きだしている日本大学事業部ですが、なぜ設立されたのかその目的をご紹介していきます。目的としては、日本大学事業部の事業活動を通して得た収益を日本大学に寄付・還元することです。
少子化問題が深刻化している日本においては、大学の収益確保も同時に問題となっています。収益をどういった形で確保するかは大学によって違いもあるでしょうが、1990年以降から大学が子会社を設立して収入源を確保する動きが始まり、日本大学以外にも早稲田大学や明治大学、慶應義塾大学に子会社が設立されています。
それと同様に、日本大学でも田中英壽理事長の判断で日本大学事業部が誕生し、日本大学の16番目の「部」として事業を展開しているのです。
学生生活支援の詳細
事業内容の一つでもある学生生活支援事業についてです。
大学での生活を充実させるために欠かせない事業となっています。
保険代理事業の詳細
次に保険代理事業について解説していきましょう。学生や教職員を守るために保険商品が提供されています。
学生向けと教職員向けの保険内容としては、
- 海外旅行保険
- 海外留学保険
- 国内旅行保険
- レジャー保険
- 自動車保険
などがあり、学生向けには日本大学学生生徒等総合保障制度もあります。日本大学と保険会社が共同で企画した保険で、補償内容が充実している点が魅力です。保険料は団体割引となっているため、故人で加入するよりも断然お得でしょう。
また、教職員向けに火災保険や医療保険、日本大学教職員総合保障制度もあります。弁護士をより身近に感じられる保険で、法的トラブルに巻き込まれた際の法律相談や弁護士費用を補償してくれるのです。
安心安全のために役立つ保険が多いでしょう。
人財サービス事業の詳細
最後に人材サービス事業について詳しく見ていきましょう。
人を財産と考えるサービスを提供するため、日大事業部では大学内で働くための人材派遣サービスを実施しています。
仕事場所は、各学部や大学院、研究室の他、図書館や研究機関、附属病院や付属高校などです。
仕事内容としては、秘書や一般事務、研究補助や受付業務、ITやイベント補助となるので、興味があれば登録を検討してみてください。
日本旅行と日本大学事業部が業務提携を締結
2021年3月、日本大学事業部は、株式会社日本旅行と学生のグローバル人材育成・キャリア形成などを目的とした包括連携協定を締結することを発表しました。
包括連携事業の実施にあたり、日本旅行内に専門チームを設置し、2021年夏、オーストラリアに誕生予定のニューカッスルキャンパスの運営全般、国際交流・外国人留学生受入拡大、医療ツーリズムに向けたコンテンツの共同開発及び事業化など、学生の多様なグローバル人材育成・キャリア形成を推進していくとのことです。
日本大学事業部の新役員の選任について
日本大学事業部は、先日開催されました臨時株主総会で下記4名の新役員が選任され、その後の取締役会で取締役の互選により代表取締役が選任されました。
代表取締役 田中 康久(弁護士)
取締役 園部 洋士(弁護士)
取締役 飯田 晋平(公認会計士)
監査役 石田 有司(公認会計士)
いずれの役員に関しても、日本大学及び日本大学事業部とは利害関係のない独立性が認められたことで、専任されたとのことです。
日本大学事業部は清算に向けて動き出しており、今回、新たな取締役も決定したことで、今後の動向にますます注目が集まります。
株式会社日本大学事業部の総括
日本大学事業部では、7つの事業を通して日本大学に貢献しています。
目的としては収益を確保しつつ日本大学をより発展させていくために、日大事業部で事業が展開されていく仕組みで、日大事業部が売上高を伸ばして発展していくことで、日本大学も同時に発展していくのでしょう。
今後も日大事業部と日本大学の展開に期待しながら注目していきましょう。
イラスト:すずはらだ